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2012年7月

校長先生がんばって!

校長先生というのは、昔から不思議な存在だった。
毎朝朝礼ではたいてい長い挨拶をして
2・3人倒れる生徒がいても、
わりと平気で長話をしていた。
どんな話をしていたか、まったく覚えていないけれど。
ふだんあまり姿を見ないし、校長先生と口をきいたのは、
裏の畑のスイカを食べて見つかって校長室によばれたときくらいだ。

担任の先生とは愛憎こもごも、
生徒主任(いまはどう呼ぶのだろうか、
要するに生徒の監視役)は明確な敵だったけど、
小・中・高と12年間もいたのに、校長先生との記憶はない。

だから、この校長先生のエピソードには驚いた。
全校生徒の名前を覚えていて、
毎朝生徒が登校するときには声をかける。
部活のときには、自分も一緒に参加して、汗を流す。
テニスをしたり、
相撲をとったり、生徒と本気で楽しむ。
ある時、東京都の教育委員会が
「学校の職員会議で、挙手や採決をしてはいけない」
という通知を出した。

学校で生徒のことを一番知っているのは、
学校の先生である。
お役所で書類を書いている人でも、
現場を知らないで発言する「評論家」でもない。
「生徒の一番近くにいる先生の声を聞かないのは、
生徒の声を聞かないのと同じだ。先生の言論の自由は、生徒のためにも必要だ」
校長先生はそう考えた。
 
誰が聞いても当たり前のことだ。
だから校長先生は教育委員会に通知の撤回を要求して、
公開討論会をよびかけた。

もちろんそんなことに応えてくれるような相手ではない。
それどころか、実は陰湿な報復が用意されていたのだ。
校長先生が定年で辞めることになった。
引き続き教壇に立ちたいと望んだので非常勤講師に応募した。
その年の応募は790人。
なにしろ校長先生は抜群の人気である。
「この学校に入学して良かった」と答えた生徒は85%、
保護者は95%にもなる。講師に格は当然と思う。

しかし、教育委員会の業務評価書には、
「仕事の成果」も「職務遂行能力」も「組織支援力」も
「職務の理解・実践力」もすべて評価はC。
790人中の790番で採用拒否である。
いったいこれはどういう「評価」なのだ。

校長先生の離任式の日、校長先生が挨拶を終えた時、
突然壇上に卒業生2人が駆け上がってきた。
そして校長先生に「卒業証書」を渡した。
「卒業証書 土肥信雄 右は教育委員会の弾圧にも負けず 
本校所定の課程を修了したことを証する。
平成21年3月24日 東京都立三鷹高等学校 第58期卒業生一同」

そして、「校長先生がんばれ!」と真ん中に書かれた各クラス別の、
卒業生317人全員が書いた寄せ書きを贈った。
どこの学校に、生徒から卒業証書をもらった校長先生がいるだろう。

そういう校長先生を、教育委員会は学校の現場から追放しようとしている。
いったい彼らは、どんな学校、どんな先生をつくろうとしているのだ。
いま、校長先生は、都の教育委員会相手に訴訟中である。
評価というより差別イジメでしかない講師不採用の業績評価は
あり得ないと訴えたのだ。

わたしたちも、こんな校長先生に教えられたかった。
こんな人と会いたかった。
だから、裁判を支援しながら、
土肥校長と交流を重ねているのだ。

土肥先生と生徒達

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