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2013.10.7追伸

2013.10.7追伸

みなさま

小池第3仮設住宅のKさんから電話がありました。
Kさんは昨日の縫いぐるみ講習会の現地講師をお願いしようとしていた人ですが、
あいにく別の用事があって、昨日の会には加われなかったのです。
小池第3仮設住宅は4月に講習会をした所ですが、
20数人の参加者がいました。
その中でKさんは、一番先にウサギの人形を完成させた人です。

その講習会では、みんなが作り終えた時に私は
「今日みなさんが生んだ子どもたちには、名前をつけて下さいね」言いました。
するとKさんは出来上がったうさぎの胸に、
「まゆみ」と書いた名札を縫い付けたのでした。
津波で亡くなった娘さんの名前でした。
小池第3仮設住宅からは、その後何度か、
縫いぐるみがいっぱい詰まった段ボール箱が私の所に届きました。
みなさんが作ったものが溜まると、
集会所のお世話役が六角支援隊に託し、そこから送られてくるのです。
中でも黒沢さんは、たくさんを作ってくれましたし、
また他の仮設住宅で作りたい人がいる時には、
黒沢さんが行って教えてあげてもいたのです。
そんな事があったので、現地講師をお願いしたかったのでした。

黒沢さんからの電話に、私は昨日の様子を伝えました。
黒沢さんは言いました。
「私は百姓だったから、人形って作ったことなかったけど教えてもらって作ったら、
かわいいのが出来て、それから楽しくって、
なんだか生き甲斐みたいになりましたよ。
夜も一人でしょ。(ご主人も津波で亡くされたのです)
だからね、針持って、作ってる人形に話しかけながら縫ってるんですよ。
そうすっと、かわいいのが出来るから、また嬉しくってね」

昨日の小池長沼のみなさんも黒沢さんのように、
きっとこれまで針を持つのは繕い物や子どもの服など
実用品を作る時だけだったのではないでしょうか。
“役にも立たない”人形作りのために針を持つなどということは、
おそらくなかったのではないでしょうか。

また以前の講習会の時には私はそこまで気が回らなかったのですが、
昨日は気付きました。
昨日、Oさんの持ってきた裁縫箱はまだ新しく、
ハサミもよく切れるものでした。
津波でお家が流されたのかしらと思って訊ねると、やはりそうでした。
でも家族はみなさん無事だったそうです。
家ごと一切、一本の針さえも余さずに
そっくりみんな波にさらわれてしまっても、
ご家族がみな無事だったらなによりだと思いました。

使い馴染んだ裁縫道具を持って来た方でも、
そのハサミは布を切るには切れ味が悪く、
専用の裁ちバサミではないようでした。
ハサミは布以外のもの、
例えば紙を切るのに使っていると
そのハサミで布を切ろうとしてもうまくは切れなくなるのです。
そんなことから、被災前のみなさんの暮しを思いました。
布を切る専用の裁ちバサミなど必要としない、
あるいはちょくちょく針仕事をするような生活環境ではなかったのだろうなと、
想像しました。
たった数時間の縫いぐるみ講習会でしたが、
今回もまたさまざまを考えたことでした。                                    
いちえ

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