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2013.7.8その2

2013.7.8その2

みなさま

昨日7日は、「ごぼう支援協議会」主催の
『被ばく労働者の要求とは何か』に、
参加してきました。

前日6日には「除染事業と除染労働の実態を問う7・6集会」が持たれ
(主催:被ばく労働を考えるネットワーク)、
東京新聞に当日の記事が載りましたから、読まれた方もおいでかと思います。

昨日の会は、それに続いての会でした。

仮名を”ごぼう”さんと呼ぶ元福島第一原発収束作業員の方が、
直接の雇用関係のある下請け会社と、
業務指示を出していた元請け会社に対して
労働条件に関して争議を起こしていることを知ったのは、この冬のことでした。

そして“ごぼう”さん支援のための、ささやかな協力をしてきました。

「ごぼう支援協議会」からは、その都度ニュースが送られてきていましたが、
先日送られてきたニュースに「ごぼう争議案件 解決」の報告があり、
その報告会がこの日『被ばく労働者の要求とは何か 収束というウソをつくな! 
使い捨てをやめろ! 無駄な被ばくをさせるな!』として開かれたのです。

ごぼうさんの案件は解決されましたが、
この「解決」で収束作業や除染作業を含む「被ばく労働問題」が
解決したわけではありません。

けれども一作業員の取り組みから始まった労働問題の解決は、
わずかではあっても次への確実な一歩であるでしょう。

原発労働は重層的な下請け構造にささえられていることは、
知られるようになりましたが、政府が「収束」を宣言したことによって、
現在も、また将来にもわたって、
作業員の労働・健康問題に深刻な影響を与えています。

しかしまだそれらは明確に言語化されずにいます。

ごぼう案件から見えてきた3つのスローガン
『収束というウソをつくな!使い捨てはやめろ!無駄な被ばくをさせるな!」
の言葉を軸に、被ばく労働者の社会への要求を明文化していこうとのことから
開かれたこの日の会でした。

会は、まず最初にごぼうさんから争議案件が解決した報告があり、
続いてすぐにゲストが紹介されました。

柏崎刈羽原発元作業員の弓場清孝さん、
ジャーナリストで原発作業員として働いた経験のある桐島瞬さん、
イチエフ作業員、除染作業員の北島教行さん、
ごぼうさん(元福島第一原発収束作業員)の4人です。

樋口健二さんの本や、昨年出版された布施祐仁さんの
『ルポ イチエフ 福島第一原発レベル7の現場』などによって、
被ばく労働者のことを少しは知った気になっていた私です。

でも、文章で読むのと当事者の話すのを聞くのとでは、
大きく理解の深度が違いました。

◎ゲストの4人の被ばく労働者による発言から

●被ばく労働は、構造的にもまた実際の現場でも、
個々人が完全に分断されている。

●全面フルマスクと防護服、手袋、長靴を装備しての作業で、
マスクを付けると自分の声はくぐもって他の人にはっきりとは聞こえなくなり、
また耳も覆われているので、他の人の声も非常に聞きづらく、
作業中に会話は成り立たない。

●マスクを付けると心臓の鼓動は非常に早くなり、
アドレナリンが上がり、例えれば戦場に行くような気分となる。
感情や肉体を大きく消費する労働だ。

●フルフェイスマスクを装着していると夏などはもの凄く汗をかき、
15分もするとマスクの下部に滴り落ちてたまった汗が5センチほどにもなって、
口まで上がってくるので、そのままだと溺れてしまうような状態だ。
だからマスクの下を少し開けて、たまった汗をこぼすが、
その間に内部被ばくを受けてしまうことになる。

●メガネをかけていると、メガネのつるの耳にかかる部分から
線量の高い空気が入りこむため、
常にそこから内部被ばくをしている状態になる。
正社員にはそれを防ぐためのパッドが支給されているが、
下請け作業員には支給されない。

●原子炉等規制法に基づく区域区分は、下記のようにされています。

①管理区域(線量:1.3 mSv/3月。

空気中の濃度:核種毎に定める濃度限度の1/10

物の表面汚染密度:α線を放出する場合:0.4Bq/cm2

α線を放出しない場合:4Bq/cm2

②保全区域 管理区域以外で管理を必要とされる場所

③周辺監視区域 管理区域周辺で、1mSv/年を超えない

●管理区域は、「管理しているから安全だ」とされ、
保全、周辺監視の両区域は、管理区域ではないから危険はなく安全だとされている。
大きな矛盾!

●小さな事故は隠されるから、それが大きな事故につながっていく。

●怪我をしたり体調を崩しても、それが表に出ると
「明日からは、もう来なくていい」と言われて仕事を失うし、
また自分が所属する下請けに仕事が回ってこなくなることもあり、
そうすると仲間に迷惑をかけることになるから、
怪我や病気は自分から隠してしまう。

●収束していないにもかかわらず、民主党の野田首相は収束を宣言し、
原発を推進してきた自民党の安倍首相は、
再稼働ばかりか輸出までしようとしている。
民主党も自民党も絶対に許せないが、
選挙権を持たない人々が原発労働を支えてきた実態がある。

●原発に関わる仕事につく時には「安全教育」がされて試験があり、
そのテストに合格しないと仕事につけないが、
その実態は、解答が記されていたり教えられて設問に答えるというものだ。

●安全教育をしっかりしたら、作業員は1割も残らないだろう。
理由は、下請け労働者の殆どは文字が読めない、
数式や記号がたくさん出てくるが、それらを理解できない。
そうした人たちが使われている。

●放射線に関する教育は、行われてはいない。

●原発関係で働くにはいろいろな資格が必要なのだが、
自分は何の資格もなかったが、会社が有資格の証明書を作ってくれた。

●同じ下請け会社の労働者にもまた序列があって、
自分は4次下請け会社で危険手当を含めて9000円の日当だった。
更に安い日当の人もいて,彼らは会社から「ドル箱」と呼ばれていた。
会社がピンハネできる金額が多いからだ。

●自分の日当は一律支給の危険手当が10000円と
福島県の最低賃金である580円×8時間で14640円だった。
だが、通勤時間も勤務時間と考えると一日13時間労働と言える。

午前4時間の間に現場にいる実質時間は、
最初の2時間に15分で、あとの2時間にも15分。
午後も同様だが、単純に労働時間と賃金を見ると
「いい職場」と思われるが、
実態はいのちを削り取られる労働だ。

●いわき相場というのがあり、
危険手当を含めて13000円の固定給で、
福島県内からの労働者にはそのまま支払われるが県外からの場合は、
そこから寮費、食費を引かれて低い賃金になる。
そうした県外からの労働者は「外人部隊」と呼ばれる。

まだまだたくさんのことを聞きましたが、
どれもが「ここまで酷いのか」と思うようなことばかりでした。

「廃炉」は政治的な言葉としての「廃炉」と
実際のそれとの間には大きな隔たりがあります。
そこが更地となって、まったく安全な地になった時を真の廃炉とするなら
、何十万年もの時間がかかるでしょう。

前日に開かれた「除染事業と除染労働の実態を問う7・6集会」では、
除染特別地域の国直轄除染事業の中で明らかになってきたこととして、
労働者はピンハネと劣悪な労働条件で使い捨てられ、
除染で潤うのはゼネコンと業界ばかりということでした。

それらが、この日にもまた、明らかにされました。

真っ先にすべきは、すべての原発の停止作業です。

廃炉に向けての収束作業、除染作業は、
それらの事業はゼネコン任せにせず、
国が責任を持つべきでしょうし、それに関わる労働者は公務員、
準公務員とすべきであろうと、
ゲストや主催者、また参加者からの意見でした。

私は毎週金曜日に、仲間たちと共に「キンカンデモ」に参加して、

国会正門前で「再稼働反対」「廃炉」のシュプレヒコールに唱和していますが、
「ハイロ」「ハイロ」と叫びながら、
釈然としないモヤモヤが胸にありました。

廃炉作業は誰がするのか、労働者の労働条件を考えての
「ハイロ」の声なのかというのが、モヤモヤの正体だったのですが、
この日の集会に参加して、
「被ばく労働を考えるネットワーク」に加わろうと思いました。

また、長文になりました。重ねてご容赦を。 

いちえ

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